地元の西鉄バスを中心に、いろいろな地域のバス路線風景を記録しています。西鉄以外の地域にもすぐ行きたくなるので、どこかで「九州路線バスの旅」とでも改名しようかと検討中ですが、西鉄バス中心に回帰しようという気持ちもあります。雑誌「秘境路線バスをゆく」に寄稿させていただきました。ずっと上五島ばかり載せているので、一時的に「ほぼ西肥バスの旅」に改称しております。

2016年12月04日

現代美術家はバス停の夢を見たか

佐賀市でのイベント、美術家の土屋貴哉さんと、トークセッションをさせていただきました。

現代美術家はバス停の夢を見たか
まず、彼のこれまでの作品と、そのコンセプトを説明いただいたのですが、
コンセプチュアルアートって、どのくらい作品に説明を施すのか、
その具合が難しいですよね。写真は土屋さんのサイトから許可を得て借用。

何も感じない人にはただ似たような石鹸がふたつならん居るだけで、
そこから何を読み解くのか、何かを読み解く必要があるのか。

少なくとも私は、説明を聞いた後の方が、この作品をより好きになったのですが、
土屋さんとしては、必要最小限の情報に留めて、
あとは見る人がそれぞれどう感じてくれるか、に任せてよいのではないか、という立場のようです。

ただひとつ私が考えるに、タイトルってヒントになりますね。
この場合であれば、何が「リプレイ」なのかってことを推測してみると、
作家の意図に近いところまで到達できるかもしれません。

個人的にはこれが彼のサイト中で、「スカルプチュア(彫刻)」の範疇に含められている点がツボですw
コンセプチュアルアーティストに必要なのは、ひらめきとコピーライティング力かもしれません。


現代美術家はバス停の夢を見たか
こちらの「ラインダンス」も、カッコ書きでドルと在るのが、大きなヒントになりそうです。
いや、放置されている以上、見る側も自由な想像力を許容されているわけで、
作家の意図を汲まねばならない、という想い自体が、
観覧者側の勝手な独り芝居である可能性が大きいのですが、それが一般人というものでして。

これが何であるかを理解したつもりで一言加えると、
歪んでいるのは二次元の画面ではなく空間そのものであって、
それはこの社会全体と繋がっているのだ、という感じです。

石鹸にしても、網目のグラフ状のものにしても、
日常的に目にするものと素材や質感には何の違いはありません。
ただ、石鹸ならば同じ使いかけのものが二つ並ぶことは稀だったり、
グラフであれば、こんなに直線になるはずはなかったり、
常識とか普通とかいう状態で期待される「こうあるべき」「こう使われるべき」という見做しから、
少しズラされた違和感と、敢えてズラした意図や経緯が、面白みになるのです。


現代美術家はバス停の夢を見たか
ならば、私の趣味分野であるバス停も、異形はそこかしこに落ちているではないですか。
本来、バス停ってこういう形状であるはずという認識を裏切るものだったり、
廃止から何年も経っているのに、まったく撤去される気配がなかったり、
都心からそう離れていない住宅街なのに、極端に本数が少なかったり。

バス停というのは、あくまで記号です。
そこに待っていれば、記された通りにバスが来るはず、という前提に基づいた目印です。
バス運営者と、バス停と、利用者との一般的な関係性を壊したところに、
新しいアートの種が、きっと在ると思います。

バス停が無い場所で乗降できないのは不便だからと、
すでにフリー乗降区間という運営上の利便性向上が図られていますが、
逆に、バスが停車して扉が開く前にバス車体からバス停が現れるギミックとか、

もしくは乗客側が、リュックから空気ポンプを取り出して、
膨らませると簡易バス停になるような、バスを強制停止させる力を持つガジェットとか。
※敢えて文章だけで書いてますので、イメージは自由に広げてください。

そんな、新しい地平に導かれる時間でした。
この場をお借りしまして、関係者の方に改めてお礼申し上げます。ありがとうございます。
CASASAGAでのイベントは、いろいろ続きますので、ぜひチェックしてみてください。
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