楠甫

ちょんびん

2021年03月13日 07:07


途中バス停だったものが、突然に終点になった時だけに醸す哀愁、
それは経緯を知っている者だけが感じる妄想。



この先さらに、別の市町村まで続いていたバスの営み。
ここまでが残された想い、それすらも終焉に導く残酷は、時の流れか無情か。



入江の奥にひろがる平地が、川の両岸になって、橋が架けられて、



新しい道はただ、ふたつの都会だけを繋ぎ、周縁部は顧みられなくなってゆく。



楠甫。



最末期は、朝と夕に1本ずつ。



桜が咲く季節に、



別れとはだいたいやってくるようにできています。4月が選ばれたのはいつからなのか。



車が停まっていたはずの場所にバスが。



静かに時を過ごして、本渡までいくつか旧道を拾いながら戻ります。



関連記事