大蔵(おおくら)

ちょんびん

2009年12月05日 08:18


北九州市の「大蔵」。ここは「おおくら」です。
旧電車通りと大蔵川や「44」のバス路線が交差していて、
地形的にも複雑なところです。



「44」東大谷方面は、は大蔵の交差点から大蔵中学校のある高台へ分岐するので、
バス停は電車通りと並行する坂道の途中に設置されていて、立体的な構造になっています。
ちなみに本道が走っているほうは、あまり「山」という感覚はないのですが、
全体的に台地地形で、山陽新幹線のトンネルはこのほぼ真下を走っています。



反対側、八幡中心部へのバス停付近は道路の拡張工事がおこなわれていて、、、

と、まあいかにもリアルタイムのレポートのような書き方をしておりますが、
この写真を撮ったのは9月の27日ですので、
現状すでに道路の風景などはかなり変わっていることが予想されます。すいません。



工事が行われている山側に公園が設置されており、
ここが鹿児島本線の旧山線「大蔵駅」があったところと推測されています。
駅の位置はこのへんでほぼ間違いはないんですけれども、
なにぶん昔のことですので、路線配置やら駅舎については資料がすくなく、
推測でしか語れない部分も多いそうです。



そんな昔のことにもかかわらず、大蔵川には鉄道が渡河していた名残の煉瓦積み橋台が。



行政が立てた看板の表記は「板櫃川」。
それに対して「大蔵川と金山川が合流した先が板櫃川で、ここは大蔵川だ」と主張する、
地域住民が立てたと思われる看板もあります。わたしにとってはどっちでもいいですけど。

自宅のすぐそばを流れる川を、私は小さい時の名残で「いなつかがわ」と呼びますが、
油山川(あぶらやまがわ)って名前が正式名称のようで、
21世紀になってから生まれた息子たちは、「いなつかがわってどこ?」って反応します。
でも「ここは稲塚川だ!」と主張する気もないですし。
いまの飯倉4丁目あたりは、むかし大字稲塚でした。
「稲」が集められる「塚」すなわち食糧である「飯」の「倉」なので、
どちらも同じことを示す地名なんですけど、けっこう印象が違う気がします。



そんな大蔵川は豊前と筑前の境界となる川で、ここに架かる橋なので、「両国橋」です。
架け替えられる前の橋の一部が、現在の橋のそばに保存されています。



橋の北側も道路拡幅工事の真っ最中です。



本道の大蔵バス停や大蔵交差点からはけっこう離れているんですが、



こちら大蔵二丁目交差点から南に折れたところのバス停も「大蔵」です。



そして、こちらの大蔵バス停のすぐ南の道路反対側にもバス停が立っていますが、
こちらは「神田橋」です。南行きの神田橋バス停は南側交差点よりさらに先にあります。
バス停板の表記に遺っているように、もともとは到津から小倉方面に路線があったため、
小倉から来たバスが停まるための大蔵が、↑のバス停です。

この「56」の砂津行きと八幡駅行き、
福岡の「3」で言えば天神行きと藤崎行きみたいなもんだと思うんです。
市のいちばんの中心地までいくものと、区役所のあるそこそこの繁華街にいくもの。
でも天神行きのほうが先に廃止されることは福岡では考えづらいので、
北九州は市域の広さや各区の独立性の高さ(あくまで福岡と比べて)なんかが感じられて、
地理学的な人間の行動パターンの研究材料としても面白いと思います。



現在は上重田や田代に行くバスは、八幡方面からこのように右折してくるものしかありません。
そのため、本道上とココと、「大蔵」バス停に2度停車しています。


関連記事